EPAベトナム第10陣訪日後研修 レポート

2023/08/21

2023年6月より実施していた令和5年度看護師・介護福祉士日本語研修事業(日越経済連携協定に基づく看護師・介護福祉士候補者受入研修事業)が7月末に無事終了しました。研修の様子をご紹介します。

来日してから1週間ほど経った時期に、地域の警察署の方をお招きし、防犯講話を行っていただきました。生活安全、外国人が巻き込まれやすい犯罪、在留時の注意点等、多岐にわたってお話をしていただきました。候補者は制服をきた警察の方からの講話ということもあり、非常に真剣に話を聴いていました。候補者からはたくさん質問があがり、来日して間もない中での不安や不明点が解消されている様子でした。この防犯講話のおかげもあり、候補者は研修期間中、生活の中で危険や犯罪に巻き込まれることもなく、安心して研修を受けることができました。

6月のとある日に、研修センターの目の前で自転車に乗った日本人が転倒するという出来事がありました。その時たまたま通りかかった介護福祉士候補者2名がその方を助け、後日、その日本人の方がお礼のあいさつに研修センターの事務局へ来てくださいました。アークアカデミーとしても大変嬉しい出来事だったため、候補者2名に感謝状を渡しました。表彰された候補者は、「外国に来て、ほかの方を助けることができて嬉しく思います。ベトナム人の親切さを知ってほしいです。」と述べていました。これからもぜひ、その優しさと勇気をもって活躍してほしいと思いました。

授業の一環として、「東京音頭」と「炭坑節」の踊りを学びました。ベトナムの候補者は踊りが好きな人が多く、すぐに振り付けを覚えて2曲踊ることができました。また数名の候補者が浴衣の着衣体験を行いました。

就労先でのイベントや、全国の夏祭りでも楽しんでいる姿が目に浮かぶようでした。

そして研修最終日には、成果発表会を行いました。成果発表会では、候補者が研修期間中に学んだ介護・看護の声かけ実演の様子を事前にビデオ撮影したものを用いて、クラスごとに発表を行いました。撮影時には納得ができるまで何度も何度もトライするクラスもあり、看護師・介護士役の候補者は非常に丁寧な動作で声かけを行うことができていました。どのクラスも研修開始時より聞きとりやすい発音で正確な声かけができており、研修で学んだ成果を発揮することができました。

続いて行われた修了式では、代表の候補者による、就労に向けての決意がこもった素晴らしいあいさつとともに2か月間の訪日後研修を締めくくりました。

その後、国際厚生事業団による導入研修および就労ガイダンスを経て、候補者たちは全国の病院、施設で就労を開始しました。研修期間中に身につけた日本語、専門知識を使って、これから日本の社会で輝いてくれることを願います。