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外国人社員のコミュニケーション課題を解決する方法

公開日:2026.08.10監修:アークアカデミー

外国人社員の採用は、人材不足の課題を解決するための有効な手段の一つと言われています。しかし、それによって、コミュニケーションに関する新たな課題を抱える企業は少なくありません。このようなコミュニケーションで生じる課題を放置すると、どのようなリスクが生じるのでしょうか。

本記事では、外国人社員とのコミュニケーションで生じる課題や、意思疎通がうまくいかない原因、課題を放置する際に起こりうるリスク 、解決法を分かりやすく解説します。こうした問題 は、単に外国人社員の日本語力不足だけで発生するものではありません。本記事を参考に、自社が抱える問題の本質を探り、解決に向けた取り組みを進めましょう。

この記事で分かること

  • 外国人社員との会話で起こる問題の具体例
  • 意思疎通がうまくいかない原因
  • 課題を放置する際に起こりうるリスクと、解決策

外国人社員とのコミュニケーション課題とは?

外国人社員を採用すると、業務指示や日常会話の場面で 、意図や認識が正しく共有しづらいという課題が生まれることがあります。

このような課題は、外国人社員の日本語力だけが原因で起こるものではありません。日本人社員が指示する日本語が曖昧だったり、業務をする上での前提が十分に共有されていなかったりすることも影響するでしょう。 また国ごとに、ビジネスやマナーに対する価値観、文化が異なるため、業務 の進め方や受け取り方に差が生まれることもあります。

外国人社員との会話で起こる問題の例

ここで、外国人社員との会話で起こる問題の具体例を紹介します。

指示やニュアンスが正しく伝わらないケース

一つ目は、指示やニュアンスが正しく伝わらないことで、問題が生じるケースです。

ゆっくり話せば理解できるレベルの日本語力があっても、日本語ネイティブ同士の普段の会話スピードについていくのが難しい外国人社員は少なくありません。そのため、速いスピードで一度に多くの情報を伝えると、内容を十分に理解できず、指示が正確に伝わらないことがあります。

また日本語では、曖昧な表現が多用されます。例えば「なるべく早めに行って」「簡潔にまとめておいて」 「さっと確認しておいて」といった表現は、日本人同士であれば、ある程度意図を汲み取れるでしょう。しかし、外国人社員の場合、日本語そのものの意味は理解していても、いつまでに・どこまで・どの程度の完成度で対応すればよいのか見当がつかない 、と感じるケースは少なくありません。

さらには本人は理解しているつもりで「わかりました」と言っていても、細かなニュアンスや職場特有の言い回しが伝わっていなかった、というケースも考えられます。

コミュニケーション不足によるすれ違いが生じるケース

外国人社員が日本語を十分に話せない場合、コミュニケーション不足によるすれ違いも起こりやすいです。

例えば、分からないことを質問したいと思っても、日本語でどう聞けばよいのか分からず、そのままにしてしまう ケースが考えられます。そのような状況の場合、日本人社員からすると「何が分からないのかが分からない」「仕事へのやる気がないのでは?」と受け取ってしまうかもしれません。

また、報・連・相が重要だということを知らず、日本人社員からすると「なぜ報告しないのか」「どうして相談しなかったのか」と感じてしまうことがあるかもしれません。

このように、コミュニケーションが不足したまま業務を進めると、認識のズレやすれ違いが発生しやすいです。

外国人社員との意思疎通がうまくいかない原因

外国人社員との意思疎通がうまくいかないとき、その原因は大きく3つに分けられます。それぞれ見ていきましょう。

言語の壁

母国語で話す人と、そうでない人がいる場合、どうしても言語の壁は生じやすくなります。外国人社員の日本語レベルは人によって異なるので、Aさんには伝わっていても、Bさんには伝わっていないといったこともあるでしょう。

また、日本語そのものの理解力が高くても、前述のような曖昧な表現は、外国人社員にとって理解しづらい場合があります。加えて、敬語やビジネス日本語には不慣れなケースも少なくありません。

「日常会話に支障がないから、日本語を全て理解できるだろう」と思い込んでしまうと、意思疎通ができなかったときのギャップに戸惑ってしまうかもしれません。

文化の違いによる認識のズレ

日本には相手の意図を察する文化がありますが、国によってはそうした文化がなく、ストレートに伝え合うことが当たり前とされる場合も少なくありません。 こうした相手に「察する」ことを求めても、意図は正しく伝わりません。 日本の文化を理解しないまま顧客と接すれば、悪気なく失礼な発言をしてしまう恐れもあります。

また日本では「時間厳守」や「5分前行動」が暗黙の了解として求められることがあります。しかし「多少の遅れは問題ない」「時間ぴったりに出社すれば問題ない」と考える国もあるので、このような異文化の理解という面もとても大切です。相手の国の文化も尊重したうえで、日本の文化的マナーも教えていくといいでしょう。

業務理解や前提知識の不足

日本で就労する外国人の中には、日本語力がかなり高い人もいます。それでも、業界に慣れていなければ業界特有の商習慣や専門用語を理解できず、指示の内容を正しく把握できないことがあるでしょう。

例えば、自動車整備業では「エンジンを回す」、物流・運輸系なら「荷物をさばく」「ハンドルを切る」といった特有の言い回しをすることがあります。業界でよく使われる言葉、言い回しなどの前提知識がなければ、実際に何をすればよいのか、判断が難しくなってしまいます。

外国人社員とのコミュニケーション課題を放置するリスク

ここからは、外国人社員とのコミュニケーション課題を放置した場合に起こり得る代表的なリスクをいくつかご説明します。

業務ミスやトラブル

曖昧な表現で指示を出してしまうと、内容が正しく伝わらず、ミスが起きてしまうことがあります。また、日本人社員が日本語ネイティブのスピードで話すと、外国人社員が内容を十分に理解できなかったり、聞き漏れが生じたりしてしまうこともあるでしょう。

職場の雰囲気悪化とチーム連携の低下

ミスやトラブルが増えれば、社内の空気がピリピリしやすくなります。また大きなトラブルが起きていなくても、外国人社員が孤立してしまうことで、職場の雰囲気が悪くなることもあるでしょう。

意思疎通がうまくできないと、必要な情報共有や協力もしづらくなってしまうため、チームワークが低下する可能性も高いでしょう。

外国人社員の離職や定着率の低下

日本語を十分に理解できず、本来の能力を発揮できなかったり仕事を任せてもらえなかったりすると、外国人社員の不安がつのり、後に不満がたまってしまうことが考えられます。また、職場で孤立してしまうことで居心地の悪さを感じてしまうこともあるでしょう。

外国人社員にとって過ごしにくい職場であるという評判が広がれば、さらなる人材確保も難しくなるため、人材不足の課題がより深刻になってしまうかもしれません。

外国人社員とのコミュニケーション課題を解決するために企業が取るべき対策

それでは外国人社員とのコミュニケーション課題を解決するためには、どのような対策をすればよいのでしょうか。ここでは、4つの対策をご紹介します。

日本語教育を取り入れて意思疎通をスムーズにする

前述のリスクを防ぐには、日常会話での日本語力だけではなく、ビジネス日本語のスキルも高める必要があります。業務に即した日本語教育を取り入れ、言語だけではなく業務知識や日本文化、商習慣などを学ぶ機会を設ければ、コミュニケーションを取ることに自信がついてくるでしょう。

近年は法人向けの日本語教育サービスも増えているので、そういったサービスを導入すれば、運用の手間を省きながら外国人社員の対応力を高められるでしょう。

現場で使えるルールや伝え方を整える

日本特有の察する文化への理解を求めたり、曖昧な表現を使ったりすると、結果的に非効率になることがあります。業務に関するルールを分かりやすい言葉で明文化し、具体的な内容で指示することを意識すれば、相手に伝わりやすくなり、ミスの防止につながるでしょう。例えば「明日の会議のために、16時までに資料を10部プリントアウトして」のように、期限や作業内容、数量まで具体的に伝えるのがポイントです。

言葉だけでの説明が難しい場合は、ジェスチャーを交えたり 、写真やイラストを使ったマニュアルを用意したりしてもよいでしょう。スムーズなコミュニケーションには、翻訳アプリも役立ちます。

相談しやすい環境やフォロー体制をつくる

分からないことがあっても聞きづらい雰囲気があると、外国人社員が萎縮してしまいます。いつでも相談できるような風通しのよい環境をつくれば、社内コミュニケーションが活発になり、認識のズレが生まれにくくなるでしょう。業務効率が改善する上、職場の雰囲気もよくなると考えられます。

外国人社員のための相談窓口を設置する、定期的にヒアリングの機会を持つ、メンター制度を導入する、などの取り組みで、サポートしやすい仕組みをつくることもよいでしょう。

外国人社員と日本人社員の相互理解を深める

文化や価値観の違いは、どちらがよい・悪いと判断できるものではありません。しかし、相互理解の機会がなければ、自分の文化や価値観を相手に押し付けてしまい、トラブルの原因になってしまいます。交流会や勉強会などを実施してお互いの文化を知ることで、理解が深まるでしょう。

外国人社員も日本人社員も気持ちよく働けるようになれば、チームワークも自然と強化されます。

まとめ

外国人社員とのコミュニケーション課題は、日本語力の不足だけで起こるものではありません。曖昧な指示や文化の違い、業務内容の理解不足などが重なることで、認識のズレやすれ違いが生じやすくなります。

課題をそのまま放置すると、業務ミスの増加や職場環境の悪化、外国人社員の離職などにもつながるため、早めの対策が大切です。

日本語教育を実施するとともに、日本人社員にも文化や価値観の違いへの理解を求め、相談しやすい環境や継続的に支援できる体制を整えましょう。またお互いの文化の違いについて知る機会をつくることで、外国人社員も日本人社員も働きやすい職場環境を整えることにつながります。

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