外国人社員を受け入れる企業が増える中で、日本語研修サービスを導入する企業も増えてきました。外国人社員の働きやすさや業務効率の向上を目的に、日本語研修サービスを検討しているものの、「どれを選べばよいのだろう」と悩んでいる担当者の方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、サービスごとの違いを比較できるよう、法人向けの日本語研修サービスを5つご紹介します。日本語研修に期待できる効果や研修形式の種類、比較するときに確認したいポイントについてもまとめています。
この記事で分かること
- 日本語研修に期待される効果や研修形式の種類
- 日本語研修サービスを選ぶ際の比較ポイント
- 5つの日本語研修サービスそれぞれの特徴や強み
日本語研修の基礎知識
日本語研修とは、企業が雇用している外国人社員の日本語教育を目的に実施する研修のことです。
まずは、日本語研修に期待される効果と主な種類について見ていきましょう。
日本語研修に期待される効果
日本語研修を実施することで、外国人社員は、日本語での円滑なコミュニケーションが取りやすくなるでしょう。
日本語研修の内容によっては、日本語の会話だけでなく、日本のビジネス文化や業界特有の文化も理解できるようになり、日々の業務を進めやすくなるでしょう。
日本人社員との意思疎通がスムーズになることで、業務効率の向上につながります。また、自社全体の生産性を高めることも期待できます。
日本や日本語への理解が十分でない状態では、社内で外国人社員が孤立してしまうケースも少なくありません。自信を持って日本語で話ができ、日本人社員との交流が増えれば、働きやすい環境が整い離職を防げる可能性もあります。
また外国人社員に向けて日本語教育の機会を用意していることは、企業イメージによい影響を与えます。その結果、優秀な外国人材を集めやすくなる効果も期待できるでしょう。
企業向け日本語研修の主な種類
企業向け日本語研修には、いくつかの種類があります。主な種類について見ていきましょう。
対面形式(講師派遣型・通学型)
対面形式の日本語研修は、講師と受講者が直接顔を合わせて実施するタイプの研修です。大きく、講師派遣型と通学型に分けられます。
企業に講師を招いて実施する講師派遣型の研修は、社内で実施できるので、受講する外国人社員が移動する手間を省けます。実際の職場で学べるため、ロールプレイなどを取り入れながら、実務に沿ったカリキュラムを設計しやすいのが特徴です。企業ごとのニーズに合わせて専門用語や業界用語を学べるように、オーダーメイドで対応してもらえるケースもあります。
一方、日本語学校などの教育機関に受講者が通う通学型では、日本語教育を専門とする環境で体系的に学習でき、他国籍の学習者と一緒に学ぶことで、日本語を使ったコミュニケーションの機会が増える点も特徴です。
さらに、一定期間集中的に学習できるため、日本語力の向上を目指しやすい環境といえるでしょう。
オンライン形式(マンツーマン・グループ)
オンライン形式の日本語研修は、インターネット環境とデバイスがあれば、時差を考慮すれば海外からのオンラインレッスンも可能です。
マンツーマンもしくはグループのレッスン形式があり、地方に拠点を置く企業でも、都心部と変わらない質の研修を社員に提供できます。時間の柔軟性も高く、企業や受講者のスケジュールに応じて研修を実施できるのがメリットです。
職種や業種に応じたカスタマイズに対応しているサービスも多くあり、対面形式と比べて費用を抑えやすい傾向にあることも、オンライン形式の強みです。
ハイブリッド形式
ハイブリッド形式の日本語研修では、ニーズや予算などに応じて、対面形式とオンライン形式を組み合わせます。
基礎的な日本語の授業はオンラインで実施し、業務に即した授業は対面で実施するというように使い分ければ、それぞれのメリットを生かした教育内容となるでしょう。
日本語研修サービスを選ぶときの比較ポイント
日本語研修サービスを選ぶ際は、これからご紹介する4つのポイントを押さえて比較するのがおすすめです。
どのような内容が学べるか
どういった内容を学べるかは、サービスを比較するときの重要なポイントです。
企業で行う日本語研修は、単に「日本語力を高めればよい」というわけではありません。基礎的な日本語に加えて、業務で使用する専門用語や表現、ビジネス文化について学び、実践で使える力を身に付けることが重要です。
研修の実施目的に合った内容か、受講する外国人社員のレベルに応じた内容かを確認した上で、自社に合ったサービスを選びましょう。また業務に即したカリキュラムで研修を進めるためには、どの程度までカスタマイズ可能かも確認しておく必要があります。ホームページで公開されている事例などを参考に、同業界や同業種での実績があるサービスを選ぶのも一つの方法です。
研修実績やサポート体制は十分か
日本語研修サービスを比較する際は、研修実績やサポート体制についても確認しておきましょう。
研修実績は、研修の成果を高めるために重要な要素です。どのような講師が担当してきたのかに加え、同じ業界や近しい企業規模での実績があるかどうかも確かめておきましょう。
また研修実施のサポート体制が整っていれば、研修をスムーズに運用しやすいです。出欠管理や学習管理、進捗報告、日程調整など、どの程度まで対応してもらえるかもチェックしておきましょう。
さらには受講者に対する学習サポートやアドバイスを受けられれば、モチベーションを保ちながら日本語学習に取り組みやすくなります。
費用の目安と料金体系
費用の目安や料金体系も、日本語研修サービスを選ぶ上で、重要なポイントです。
講師が企業や施設に出向く対面形式・派遣型の日本語研修の場合、受講人数や研修内容によって費用が異なります。一般的には、講師派遣費用やカリキュラム設計費用などが含まれるケースがあります。
また、オンライン形式の日本語研修についても、個人レッスンかグループレッスンかによって費用体系が異なります。サービスによって提供内容や料金設定はさまざまなため、事前に見積もりを確認することが大切です。
また実際に日本語研修にかかる費用は、利用するサービスによって大きく異なります。提供される研修内容やサポート範囲、料金の算出方法、初期費用の有無などの面で、それぞれ差が見られるでしょう。比較する際には、できるだけ同じ条件に近い研修プランで複数社から見積もりを取り、費用と内容のバランスを確認しましょう。その上で自社の予算も踏まえ、適したサービスを検討してみてください。
運用のしやすさや継続しやすさ
日本語研修サービスを比較する際は、研修内容だけではなく、導入後に無理なく運用できるか、継続しやすい仕組みがあるかも確認しておきましょう。
実際に研修を進める中で、受講開始後に受講者の理解度や現場の状況に応じ、課題が出てくるケースも少なくありません。カリキュラムの調整や運用方法の見直しに柔軟に対応してくれるサービスであれば、実態に合った研修を続けやすいです。
また日程変更の相談や受講可能時間も、継続性を左右する重要なポイントです。特にシフト制を採用している企業の場合、勤務時間や休日が受講者ごとに異なるため、柔軟にスケジュールを組めるサービスの方が無理なく研修を続けやすいでしょう。
企業向け日本語研修サービス・おすすめ5選を比較
最後に、5つの企業向け日本語研修サービスについて特徴や強みをご紹介します。自社のニーズにも照らし合わせながら、それぞれの違いを比べてみてください。
アークアカデミー「法人・企業向け日本語研修」
アークアカデミーは、日本語教育の分野で長年にわたる実績を持つ日本語学校です。
法人・企業向け日本語研修では、企業ごとの課題や受講者のレベル、予算に応じて内容を設計するオーダーメイド型の研修を提供しています。EPA(経済連携協定)事業をはじめ、幅広い業界での研修実績があるので、専門的な知識や現場特有の表現が求められる業種・職種にも対応しやすいのが特徴です。
研修内容は、日常的な日本語だけではなく、プレゼンテーションやビジネスメール、職場でのやり取りなど、実務で役立つテーマにも対応しています。また学習状況や進捗が定期的にレポートで共有されるため、企業側も研修の成果や課題を把握しやすく、継続的な改善につなげられるでしょう。
| 受講形式 | 対面形式、オンライン形式、ハイブリッド形式 |
|---|---|
| コース内容の一例 | 外国人社員向け「日本語研修」(初級〜ビジネスレベル) 介護施設・病院向け「日本語レッスン」 |
| カスタマイズの可否 | 可 |
【参考・出典】
※1 参考:アークアカデミー 企業・個人日本語研修「トップページ」(参照2026-05-14)
アルク「アルクオンライン日本語スクール」
アルクオンライン日本語スクールは、語学教育事業を幅広く展開するアルクが提供する、オンライン型のマンツーマン日本語学習サービスです。日本語教育に長年の歴史を持ち、これまで数多くの研修提供実績があります。
レッスンを担当するのは、日本語教育に関する資格を持ち、かつ3年以上の指導経験を有する講師のみです。コースは11種類用意されており、受講者の日本語レベルや学習目的に合わせて選べます。
レッスンは365日対応しており、日本時間の朝6時から23時開始まで受講可能です。勤務時間が不規則な社員や、シフト制の企業でも研修スケジュールを組みやすいでしょう。
| 受講形式 | オンライン形式 |
|---|---|
| コース内容の一例 | 日本語入門20回コース 日本語初級Ⅰコース ビジネス日本語中級Ⅰコース ビジネス電話対応コース 新ビジネス敬語コース |
| カスタマイズの可否 | 可 |
【参考・出典】
※1 参考:アルク「アルクオンライン日本語スクール」(参照2026-05-14)
TOASU「Gakken STEPにほんご」
Gakken STEPにほんごは、60年以上の人材育成に関する歴史を持つTOASUが提供する、特定技能外国人を対象とした日本語レッスンサービスです。
日常生活で必要な日本語に対応したコースはもちろん、レベルに応じたコースやビジネス向けコース、日本語試験対策コースなど幅広いコースが用意されています。
オプションで自習用のeラーニングや進捗の月次報告書、企業のニーズや業界・業種に応じたカスタマイズも可能です。また入国前の外国人への対応も可能なため、早い段階から日本語教育の体制を整えられます。
| 受講形式 | オンライン形式 ※出張レッスンは応相談 |
|---|---|
| コース内容の一例 | 初級・中級会話力徹底強化コース 各種日本語試験対策コース ビジネス基礎力強化コース 生活日本語学習コース |
| カスタマイズの可否 | 可 |
【参考・出典】
※1 参考:TOASU「Gakken STEPにほんご」(参照2026-05-14)
日本語教育研究所「日本語教育サービス」
日本語教育研究所は、日本語教育の普及や発展、日本語・日本文化への理解促進を目的に活動しているNPO法人です。
実施しているサービスでは、実務経験の豊富な講師が、個人から企業まで幅広い対象に向けた研修を行っています。対面形式の研修は完全オーダーメイドで設計されるため、受講者のレベルや企業ごとの課題、業務内容に合わせて細かく内容を調整できるのが特徴です。eラーニングにも対応しています。
研修では日本語そのものの指導に加え、ビジネスマナーや日本文化など、職場での円滑なコミュニケーションや日常生活に役立つテーマを取り扱っています。
| 受講形式 | 対面形式、オンライン形式、ハイブリッド形式 |
|---|---|
| カスタマイズの可否 | 可 |
むすびば「外国人労働者向けオンライン日本語教育」
むすびばの外国人労働者向けオンライン日本語教育は、外国人向けに会話力の向上を支援するオンライン日本語研修サービスです。
レッスンはオンラインの少人数クラスで行われ、受講者一人ひとりの習熟度を確認しながら、きめ細かな指導を受けられます。日常会話だけではなく、仕事の現場で使う実用的な用語や指示表現なども学べるため、学習した内容を実務に生かしやすいのが特徴です。
出席状況や日本語レベルはメールで報告してくれるので、企業側は受講者の学習状況を都度把握できます。
外国人介護士向けの日本語研修サービスや、技能実習生向けの入国後講習も展開しています。
| 受講形式 | オンライン形式 |
|---|---|
| コース内容の一例 | 初級コース(入門レベル) 初中級コース(N5レベル) 中級コース(N4レベル) 中上級コース(N3レベル) 上級コース(N2レベル) |
| カスタマイズの可否 | 可(回数・時間のみ) |
まとめ
日本語研修は、外国人社員の日本語力を高めるだけではなく、職場での意思疎通をスムーズにし、業務効率や働きやすさの向上にもつながる研修です。
需要が増えるにつれ、提供されているサービスも増えてきています。受講形式や学べる内容、サポート体制、費用感、継続しやすさなども踏まえて、自社に合ったサービスを選ぶことが大切です。まずは複数のサービスに問い合わせをして、自社の現場に合う研修内容かを確認してみるとよいでしょう。
アークアカデミーでは、企業ごとのニーズに合わせた完全オーダーメイドの日本語研修サービスをご提供しています。これまで培ったノウハウを生かし、業界や職種に応じたカリキュラムを設計するので、現場に即した日本語研修の実施が可能です。日本語研修に課題を抱えている方や、導入を検討している方は、お気軽にご相談ください。
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